『 LASICU 』 作り手 戸塚 彩子
「カタチはシンプル。 何より丈夫で使いやすい。」
街中を行き交う色々なトートバックを見ていると、そぎ落とされた無駄のないカタチの中に機能性や使い勝手の良さを一層感じます。そして、誰もが知っているこの定番のバックに「自分らしさ」を表現するのは、たぶんとても大変なことだと思います。
作り手 戸塚 彩子さんがトートバックを作るきっかけになったのは、今使っている生地との出会いが一番大きかったと教えてくれました。それまでも、娘さんや友人から頼まれたモノを中心にミシンを使って洋服や小物を作っていたそうですが、自分のイメージする「素材」に巡り合ったことで、自分が作りたいと思えるバック作りが始まったそうです。
僕らが『 LASICU 』を知ったのは、それからずいぶん後になってからのことですが、『 LASICU 』という名前には、自分らしくモノ作りをして、それを手にしてくれた方らしく、愉しみながら使ってほしいという戸塚さんの願いが込められています。
こうして、目の前にある白いトートバックを手に取ると、フォルムの美しさや、ひとつひとつの丁寧な仕事とともに、生地を2枚仕立てにした理由や、取り外しのできる底板をつけた訳など、使い手の立場に立って考えたり、工夫したりしてこのカタチにたどり着いたんだなあ、と少しだけ戸塚さんの辿ってきた長い道を垣間見たような気がしました。