しらさぎ椀 子ども用(朱)
黒子としての職人技
口に触れた時のやわらかい感触や、料理を美味しく見せてくれる色味、少しづつ艶を帯びて育っていく感覚を味わえるのは、漆器ならではの楽しみ。
縁が反った口当たりの良い羽反(はそり)椀は、4寸汁椀と比べてひとまわり大きく、汁物のほか小振りな丼ぶりや麺料理の器としても重宝すると思います。
一口に漆のお椀と言っても幅が広く、材料や工程によって随分と値段も違ってきます。その中でも、安比塗漆器工房の作るお椀は、すべての工程を職人が手作業で行いながら、価格面でも日常に限りなく寄り添ったうつわです。
下塗り・中塗りには中国産の漆を、上塗りには浄法寺の漆が使用されています。中国産=品質が劣るというイメージがありますがそうではなく、日本産とは違った粘り気があるため、下塗りには適しているといういい面もあるそうです。使用する漆はすべて自社で精製するこだわりによって品質の高さが保たれています。
※16,500円(税込)以上で送料無料
表層に透明な漆(=透き漆)を塗って仕上げたものを溜塗といい、濃い飴色が落ち着いた風合いを感じさせます。使い込んでいくとともに、飴色の下から朱色がうっすらと透けて、よい雰囲気に育っていきます。
上塗り後 研磨を施さない手法のため、塗りのごまかしがききません。はじめは鈍い漆の質感は、使うとともに自然に艶が増していきます。(左:新品 / 右:数年使用)
漆器は熱伝導率が低いので、手に持っても熱くなく、温かいものがなかなか冷めにくいのが特徴です。温かいお料理にもぴったりの素材です。
3.8寸は、程よいサイズで女性の手にも持ちやすい大きさです。普段のお味噌汁にちょうど良く、自宅ではこちらのサイズを使っています。4寸は、3.8寸よりひとまわり程大きいサイズ感です。豚汁などのたっぷりの汁物にもおすすめ。4.4寸は他の二つと少し形が違い、高台が少し低めでどっしりとして、縁は広がったようになっています。少量の丼ものや麺類を食べる時に使っていただけるといいかと思います。
(左から:3.8寸汁椀・4寸汁椀・4.4寸羽反椀)
よく、漆器の取扱い方は難しいのでは・・・と思う方もいらしゃいますが、柔らかいスポンジで優しく洗うとか、金属のフォークやスプーンを使わないとか、紫外線に弱いのでなるべく日光には晒さない、など気を付けて頂ければ大丈夫です。自宅にある漆のうつわたちも、多少の傷は愛着を持って使っている証拠だと思って、日々の食卓で愉しみながら使っています。
漆椀との上手な付き合い方は、洗ったらすぐ拭きあげることです。油汚れ以外なら洗剤を使わずに、水やぬるま湯でサッと洗うだけでも汚れが落ちます。また、使って行くうちに、剥離や割れなどが生じた場合でも、ある程度は修理が可能です。
・手仕事の為、一品ごとに色味や塗りの表情に違いがございます。
・また、天然木を使用しているため、サイズや重さに若干の個体差が生じます。
・使用後は長く湯水に浸けておかず、手早く洗って乾いた布で拭いてください。
・食洗機・電子レンジのご使用は、お避けください。
・ステンレス等のカトラリー類は、傷がつきやすく剥離の原因になりますのでご使用はお避け下さい。
・直射日光に当てることは、変色の原因となりますので、お避けください。
漆器の産地として栄えていた岩手県八幡平市安代。
安比塗漆器工房は一度は途絶えてしまったこの地域の漆器づくりを復活させ、国産の材料にこだわった質の高い漆器づくりと、次世代の漆職人の育成を行っています。