祝凧(大)
鶴と亀の縁起物
静岡県浜松市に工房を構える染色家 山内武志さんが手がけた新作のれん。若かりし頃に師事した芹沢銈介へのオマージュとも受け取れる一枚は、縄目を大胆に意匠化し、落ち着いた雰囲気に仕上がっています。
・棒は付属されておりませんのでご注意ください。
表面は中央にしっかりと結ばれた縄を配し、上下に余白を設けた構成。型紙をひとつひとつ手で切って図案化している為、それぞれの縄目も微妙に違っています。
一方、裏面は表と同じ型紙は使わず、横縞になるよう交互に色を変えて染めてあり、それが表面の縄の濃淡となり面白い効果を発揮しています。空間に吊ると光を透過するので表側の縄目が浮かんで見えます。
布地も山内さんのこだわりが詰まった一枚で、自ら藍染した糸を使って縞模様に織ってもらったのだそう。全体に縦線が入ることで印象が締まり、モダンかつ伝統的な雰囲気が醸し出されている気がします。キャンバス地のようなかたさはなく、ほどよいやわらかさがあります。
横幅はドア一枚分ほどで、上から吊ると腰くらいまで隠れます。生地は少し厚手ですが、手に触れてもかたさは感じず、風が通るとふわりと揺らめきます。縄目は表面しか染められていませんが、光が透過すると裏面からもうっすらと模様が浮き出るので、両方から楽しんで頂けます。のれんとして使う以外にタペストリーのように壁に掛けても、部屋の印象を変えてくれると思います。
10代後半から人間国宝 芹沢銈介の元で型染めを学んだ山内さん。「型染め」とは、型紙を使って布や紙を染める昔からの染色技術で、刃物を使って型紙を切り抜き、それを布にあてて防染糊をおき、色を染め、また糊をおとすという一連の流れで作品が出来上がります。これまでも様々な仕事を手掛けてこられましたが、86歳を迎えた今でも工房に入り、日々 作品づくりに情熱を傾けられています。
・ご使用のパソコンや携帯電話によって、色の見え方に違いがある場合がございます。あらかじめご理解下さい。
・手作りのため、サイズや色ムラなどの点において個体差が見られます。
・薄めた中性洗剤で手洗い可能です。
・タンブラー乾燥は避け、軽く脱水し形を整えて日陰干しをしてください(麻素材は脱水機を使用しないでください)。
家業は明治時代まで刺繍業を営んでいたことから、現在でも「ぬいや」の屋号が残る。山内さんは父親の跡を継ぐため、人間国宝 芹沢銈介の元で修業を重ね、浜松に戻ってからは、様々な染物の要望に応えながら、創作にも取り組まれてきました。
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